Arc’teryxの製品の中でも特に人気のあるバックパック、マンティス26。汎用性の高さを活かして、普段使いと日帰り登山に使っているので、使用シーンを交えながら紹介したい。
マンティス26の細部
865gと軽い。収納部分は4つ
容量は名前のとおり26リットル、重さは公式によると865グラム。軽いが生地には耐久性があり、強度が心配になったことはない。
ポケットは、
- メイン収納
- 中ぐらいの収納 ×2
- 上部の小さめの収納
の合計4つある。
4つとも内側の色は明るいグレーで、中に入れたモノが見やすくなるよう工夫されている。
メイン収納
パッキングの基本は、軽いものやあまり使わないものを下に、重いものを上に入れること。メイン収納はガバっと180度開くので、一覧性が高いことはもちろん、下に入れたものも取り出しやすい。
大きなメイン収納は仕切りがないので、2リットルのペットボトルが余裕で入る。底面はマチがあり、20.5cm×13cmの箱がぴったり入った。これよりも小さいお弁当箱であれば、傾かずに収まるはずだ。
背面にはノートPCやハイドレーションパックを入れられるスリーブが付いている。クッションはないので、ノートPCを入れる場合は別途ケースに入れた方が良さそう。
ハイドレーションパックを吊り下げるフックと、ホースを通す穴が開いている。ちなみに、私は洗うのがめんどくさそうなので、ハドレーションパックは持っていない。
中ぐらいのサイドスリットポケット(背中側)
メイン収納+サイドスリットポケット(背中側)+サイドスリットポケット(前面側)と重なるような構造になっており、容量もメインから順に小さくなっていく。
サイドスリットポケット(背中側)は2番目に大きな収納で、見た目以上に収納力がある。小さめのバックパックの収納と変わらないのではと感じるほどで、500mlのペットボトルも余裕で収まる。メイン収納が大きいのは当然として、それ以外のポケットも驚くほど大きいことがマンティス26の特徴であろう。
中ぐらいのサイドスリットポケット(前面側)
背面側と反対側のジッパーから前面側のサイドスリットポケットにアクセスできる。先ほどと同じポケットに左右からアクセスできるように見えるが、それぞれ独立したポケットである。前面側の方がマチが薄くなっている。背中から離れるので、軽いものを入れるほうがバランスが崩れない。
上部の小さめの収納
上部には、財布や鍵のような小物を入れるのにちょうど良い大きさのポケットがある。開け閉めしやすい位置なので、頻繁に使うものを入れるのが良い。こちらも500mlペットボトルが入るが、型崩れ気味になるので軽めのものを入れるのがオススメ。ポケットの中は、小分けポケット1つとペン用ポケットが4つだけだ。
試しに通勤用としてこのバックパックを1週間ほど使ってみた。財布や社員証のような小物がこのポケットに集まり、中が散らかってしまった。小物は小分けポケットに収納するのが好みのなので、通勤用として使うには小分けポケットの少なさが気になった。オーガーナイザーのようなものにまとめてから入れる使い方が適していそうだ。
ボトル用のサイドポケット2つ
両サイドにボトル用のポケットがあり、水筒を2つ持ち運ぶことができる。口にゴムが付いていて、簡単にボトルが抜け出しにくいようになっている。特にトレイルでは、ジッパーを開け閉めせずに取り出せるので、気軽に水分補給することができる。
ストラップは街歩きには十分
ショルダーストラップは街歩きには十分な厚さ。チェストストラップとウエストベルトもあるので、バックパックをしっかりと体に引き付けられる。
ただウエストベルトは単純なものなので、本格的な山歩きには適さない。不要な場合は、取り外すこともできる。
右のストラップに付いてる輪っかはハイドレーションのホースを通すもの。ここにカラビナを取り付けて、キャップ掛けとして使っている。
街でも山でも使える
Arc’teryxの登山用バックパックのノウハウを、普段使いできるデザインに落とし込んだマンティス26。普段使いはもちろん、アウトドアにも使えるのが最大の魅力だ。
街で
アウトドア向けの派手なデザインではないので、カジュアルな服装にも合わせられる。ウエストベルトが気になるなら、つないで絞っておけば収まりが良くなる。
大きなメイン収納にはノートPC含め何でも入れることができ、汎用性が高い。一泊二日程度であれば、このバックパック1つで十分に対応可能。長期の旅行でも、スーツケースとこのバックパックを持って行けば、現地での街歩きから山歩きまで、中身を変えながら使うことができる。
山で
マンティス26は登山やアウトドアでも活躍する。私は普段使いではなく、トレイルに行くときに使うことが多い。チェストストラップとウエストベルトで、バックパックをしっかりと保持することができる。容量に余裕があるので、少しでも寒さの心配があれば、ミッドレイヤー(Atom LTやユニクロ ウルトラライトダウン)を入れている。
日帰り登山であれば装備は大して重くならないので問題ないが、1泊するならもう少し容量が大きく登山専用のバックパックを使うべきだろう。ウエストベルトが貧弱なので、少し重くなると肩がつらくなっってくる。
トレイルでは、バックパックが枝や岩に当たったり、湿った地面に置くようなシーンがよくある。マンティス26の生地は強いので、気にせずガシガシ使える。
汗をかいている状態でキャップをかぶっているのが好きではないので、日が出ていなければキャップは外したい。ショルダーストラップにカラビナを付けておけば、すぐにキャップを取り外しできるのでオススメ。
イマイチなところ
自立しない
堅牢ではないバックパックなので、自立はしない。軽いので仕方なし。
汎用機だけに、登山専用機ほど性能は高くない
普段使いにも登山にも使えるが、その分登山に特化しているわけではないので、1泊2日以上の本格的な登山には適していない。そのような用途では、登山用にデザインされたバックパックを買ったほうが、後悔しないはず。
さいごに
使い勝手が良く、多くの方に愛用されているのも納得の出来。特に不満なところもない。アメリカでは税別$100で買えるが、日本では2倍弱まで値段が上がるところがネックだろうか。
私がトレイルを中心に使っているので、普段使いと登山の両方で使えると紹介しているが、デザインが気に入れば普段使いだけでも満足すると思う。ガバっと180度開いたりウェストベルトが付いているのは、普段使いでも荷物を詰め込んだときに助かる機能だ。