美しい革、でも雨の日もOKな革靴 – トレーディングポスト T602 レビュー

トレーディングポスト T602 撥水革靴

雨の日にどの革靴を履くか悩まないだろうか。普通の革靴は濡れたまま放っておくと、革が傷んでしまう。かといって、GORE-TEXが使われた防水性のあるような革靴は、ドレッシーさに欠けるものが多い。

美しさと機能性を兼ね備え、使い勝手が抜群な革靴、トレーディングポストのT602 パンチドキャップトウ ダークブラウンを紹介したい。端正な見た目なのに、撥水加工されていて雨の日も問題ない。2018年12月に購入し、3年半ケアをしながら週に2〜3回のペースで使っている。

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美しい見た目

バランスが良い

トレーディングポスト T602 撥水革靴

足の甲の幅が広いところから、かかとに向けて絞り込まれたくびれが色っぽい。ダークブラウンの色で影がわかりやすいので、曲面の美しさが引き立つ。

トレーディングポスト T602 撥水革靴

つま先は尖りすぎてもなく、丸すぎてもいない、ちょうどいい丸さ。尖りすぎると攻撃的で使いにくいし、丸すぎると野暮ったくなってしまう。この丸さ加減が優しい感じがして、絶妙。

トレーディングポスト T602 撥水革靴

適度に穴飾りがあって、ストレートチップほどフォーマルすぎないのも、遊び心があり履くときに楽しい。メダリオン(つま先の穴飾り)はないので、派手になりすぎず、ビジネスシーンで使いやすい。

内羽根なのもきれいめな印象になる。アデレードの曲線も美しい。フォーマルすぎず、かといってカジュアルすぎず悪目立ちしない。バランスの良いデザインが気に入っている。

革の色がきれい

トレーディングポスト T602 撥水革靴

革はあえてムラが出るように染められているので、単調にならず表情が豊かである。ムラは近くで見たら気づく程度で、オシャレ。全体の色も明るすぎず、普段使いがしやすいダークブラウンに調整されている。

ダークブラウンは、ブラックの革に撥水加工をするよりも難しく、開発に時間がかかったそうだ。

サフィールノワール クレム1925 ニュートラル ブラウン

手入れするクリームは、サフィールノワール クレム1925のニュートラルとブラウンを交互に使っている。今回ニュートラルを使ったら、次回の靴磨きではブラウンを使うという流れである。革本来の色を楽しみたいのでニュートラル、補色するときには暗くしたくないので靴よりも少し明るいブラウンを選んでいる。クレム1925は安くはないが、ツヤがよく出るし伸びもよいので、クリームに迷ったらクレム1925を買うのが間違いないと思う。

雨の日も履ける

革内部への撥水加工

形や革が美しい靴であるが、それに加えて雨の日でも気兼ねなく履けるというのがもう1つの特徴。

トレーディングポスト T602 撥水革靴

革表面に撥水コーティングをしたり、防水スプレーをかけたりすると撥水効果は付与できるが、時間とともに剥がれてしまう。ところが、この靴はおもしろいことに、革をなめすときに撥水剤を革内部に浸透させており、撥水効果が持続する。

3年半経っても、撥水効果は保ったままだ。靴に付いた雨粒は、歩くと自然に落ちる。雨の日に、靴が濡れないようにと気にしなくて良いのは助かる。

ダイナイトソール

ソールは、水に濡れても問題のないラバーソール。その中でも、代表格のダイナイトソールが使われている。ダイナイトソールは厚みは抑えられ、横から見たときに凹凸が見えないので、ドレッシーな印象となる。レザーソールよりも滑りにくいが、それでもアウトドア用の靴に比べるとフラットなので、マンホールの蓋のような滑りやすい場所では注意が必要。

トレーディングポスト T602 撥水革靴 ダイナイトソール

3年半履いているが、ラバーが硬いものが使われているようで、なかなか削れない。レザーソールを3年も履けばつま先が削れて、メタルチップを貼る必要が出てくるだろう。ラバーソールはレザーソールと違ってケアする必要がないので、それもメリットだ。

グッドイヤーウェルト製法

トレーディングポスト T602 撥水革靴

製法はグッドイヤーウェルトなので、ソールを交換できる。アッパーは経年変化して味が出て、中底は自分の足にあった状態で新品のソールにできるのは、接着剤で作られた革靴にはない魅力。ただ、その分、縫い目から水が中に入ってくるので、完全な防水ではない。水溜りに入らない限りそのようなことはないので、まず問題にならない。

イマイチなところ

足音が気になる

トレーディングポスト T602 撥水革靴

ダイナイトソールの硬さのためと思うが、床を歩くときの足音がカツカツと大きい。好みもあるが、私は足音は小さい方が好き。

ちょっと高い

トレーディングポスト T602 撥水革靴

税込み49,500円は、「試しに買ってみるか」という価格ではない。使い込んだ今では、価格に見合った価値のあるいい靴であることがわかるが、買うときにはちょっと気合いが必要なお値段。

長持ちするためにシューツリーを

M.モゥブレィ トレーニングポスト オリジナル シューツリー

履き皺を伸ばしたり、型崩れを防ぐために、革靴を履かないときにはシューツリーを入れている。トレーディングポストでこの靴と一緒に買ったオリジナルのもので、合うサイズを店員さんに選んでもらった。靴はUS7.5 (25.5cm)で、シューツリーは39(24.0cm~24.5cm)である。

表面がつるつるしていて木目がきれいで所有欲が満たされる。ただ、税込み12,100円なので、ここまで高級なものではなくても、もう少し安いものでも良さそう。

トレーディングポスト T602 撥水革靴

シューツリーを入れないと、甲の履き皺が伸びず、つま先が反ってくるはずだ。

さいごに

この靴は私の持っている革靴の中で一番気に入っていて、雨の日に限らず天気のいい日にも使っている。ぜひ店舗に足を運んでためし履きしてみてほしい。

製作者のこだわりが伝わってくるモノ、革製品やApple製品が好きです。30代会社員、神奈川県在住。

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