レッド・ウィングのアイアンレンジャー8111を2年間履いてきました。経年変化(エイジング)やケアの様子について紹介します。2年間履いたらどうなるかや、クリームを入れたらどのように変化するか気になっている方の参考になればうれしいです。
アイアンレンジャーとは
アイアンレンジャーは、1930年代に炭鉱労働者に使われていたワークブーツをモデルとして作られたブーツです。つま先を保護するために付けられた、レザーのトゥーキャップが特徴です。アイアンレンジャーは、オイルをたっぷりと含んだ革が使われています。この革が他のブーツと比べて柔らかいために、履き馴染みが良いと言われています。
8111ではアンバーハーネスと呼ばれるブラウンの革が使われています。エイジングすると大きくシワが入り、表情の変化を楽しめます。
アメリカにおけるアイアンレンジャー
Image: Red Wing Shoes
アメリカでのレッド・ウィングは、本来のワークブーツとしての色合いが強いです。日本のようにファッションでワークブーツを履いている人はあまりおらず、Work部門で販売されている防水性など様々な機能のあるブーツが好まれているようです。
そのような中で、アイアンレンジャーはHeritage部門において最も街中で見るブーツです。Heritage部門の中で最もレビュー数の多いブーツがアイアンレンジャーであり、アメリカで一番人気があるレッド・ウィングのブーツと言えるのではと思います。
マイ・アイアンレンジャー 8111
サイズ感
レッド・ウィングの店舗で試着して、サイズはUS 7Dのものを買いました。私は一般的な幅が広い足だと思いますが、Dウィズでも締めつけ感はありませんでした。ちなみに、ナイキのランニングシューズはUS 8.5を履いています。
私にとってアイアンレンジャーが初めてのブーツです。履き始めは少し靴擦れにはなったものの、履くのが嫌になるほどというわけではなく、革靴ならこんなものかなという程度でした。
2年経ちましたが、ソールの沈み込みはそこまで感じていません。紐を締めるときに若干きつく締めれるようになった感じがしますが、大きくなったというほどではないです。ですので、沈み込みを考えて少し小さめのサイズで買うようなことはしなくて良いかなと思います。
アイアンレンジャーの魅力
アイアンレンジャーは、ワークブーツ由来の無骨な中に、ドレッシーさもあるのが魅力だと思います。ジーンズやワークっぽいパンツにはもちろん合いますし、細身のパンツにも合わせることができます。
バックステーの1枚革が無骨なシルエットを作っています。3本走っているステッチもワークっぽいですね。頑丈な作りで、壊れてくる気配は全くありません。
もう1つ、革のエイジングが楽しめるのも大きな魅力です。
2年間のエイジング
Right image: Red Wing Shoes
アイアンレンジャーはガシガシ使ってなんぼなブーツですので、2年間、雨や雪でも気にせず履いてきました。革の性質上、擦れた痕がつきやすいですが、ブラッシングをすれば目立たなくなります。ボロボロにはしたくないので、ラフに使いつつも乱暴にはならないように気をつけています。
ネットを見ていると、同じ8111でも人によって違った育ち方になるのがおもしろいです。
私の8111は、右足の外側の革が馴染んで、とても柔らかくなっています。ベロンベロンです。この部分に使われている革が、他の部分よりも少し薄いようです。
逆に、左足の外側は厚みがあり、柔軟性が低いです。右足の外側は、革全体がうねるように曲がりますが、左足は硬いために曲がる箇所が決まり、その部分に小ジワが入っています。購入から2年経ち、小ジワが乾燥してきましたので、記事後半でフルメンテをしていきます。
ソールはビブラムのミニラグなので、ある程度のグリップ力があるのと、横から見たときに凹凸がなくスッキリした見た目となっているのが好みです。2年経ってもそこまで削れておらず、頑丈なソールです。
アイアンレンジャーのイマイチなところ
1つ目に、先程から出てきていますが、左右で革質が異なるところです。左足も柔らかい革だったら…と思いますが、このラフな感じも個性ですね。
2つ目は、靴紐に癖がつくところです。特に先端がかぎしっぽのように曲がったままになります。洗っても癖は取れませんでした。他の方の写真を見ていると曲がっていないものもあるようなので、個体差なのかもしれません。
靴紐を変えるとよりドレッシーに
靴紐を、レッド・ウィングの60インチ フラット ワックスドレース ブラウン(公式サイト)に変更してみました。平紐の方がドレッシーな感じになりますね。
気に入ってしばらくこの状態で履いていましたが、アイアンレンジャーの無骨さが薄れてしまうので、今はデフォルトの紐に戻しています。この靴紐の方が伸縮性があるので、足首をよりスムーズに動かしたい方は交換すると良いかもしれません。
ケア方法
アイアンレンジャーのケア方法は、探せば探すだけ出てきます。ブラシだけ、サドルソープでしっかり洗ってオイルやクリームを入れたり…。おそらくどんなケア方法でも大きな問題が生じにくいブーツなのだと思います。
私の場合は、履き終わりのブラッシングのみ、としてきました。購入からおよそ2年経ち、左足外側の小ジワの乾燥が気になってきましたので、そろそろフルメンテをしようと思います。メンテはこちらの流れで行いました。
- 馬毛ブラシでブラッシング
- 水拭き
- クリーム塗布
- 豚毛ブラシでブラッシング
- 乾拭き
それぞれの手順を詳しくご紹介します。
1. 馬毛ブラシでホコリを落とす
靴紐を外して、馬毛ブラシでホコリや砂を落とします。入り組んだところに汚れが溜まりやすいので、そのような部分も丁寧にブラッシングします。
外した靴紐は、石鹸水を使って洗います。
2. 水拭き
水を濡らして硬く絞った布で、全体を拭きます。革を傷めないよう、強くこすらないように注意します。布は、着古した服を切って使っています。
目立つ汚れが落ちて、さっぱりしました。
3. クリームを塗布する
オイルやクリームなど、ブーツに何を入れるかはいろいろな考え方があり、沼です。私の場合、
- 革の色を変えたくない
- しっかり栄養を補いたい
- なるべく優しそうなものを使いたい
と思い、コロニルの1909シュプリームクリームデラックスを使うことにしました。ツヤは出るものの色の変化はなく、さらっとしているクリームで、普段、土屋鞄の製品をケアするときに使っています。デリケートな革のケアにも使えるので、トラブルは生じないでしょう。
オイルを使う方がアイアンレンジャーっぽいですが、オイルは色が濃くなるという情報を見ましたので、クリームにしました。
指でクリームをなるべく薄く塗っていきます。
左足外側の革には、柔らかくなるよう多めにクリームを塗り込みました。
4. 豚毛ブラシでクリームを入れ込む
革にクリームの成分が浸透するように、コシのある豚毛ブラシを使ってブラッシングします。ブラッシングをすると、一気にツヤが出てきます。
5. 布で乾拭き
乾いた布で、ブーツを磨きます。クリームをさらに浸透させるとともに、余分なクリームを取り除きます。このとき、クリームと一緒に汚れも取り除けます。
フルメンテ完了
フルメンテが完了し、ツヤツヤになりました。しっかり栄養補給できた感じがしますね。色も変わらず、狙い通りです。ワークブーツはツヤがない方が「らしい」かもしれませんが、しばらく履いていればツヤは落ち着くので気にしていません。
右足外側はより柔らかくなりました。
左足外側も潤いが戻りました。
さいごに
革の柔らかさ、ケアのしやすさ、エイジングのわかりやすさ、服との合わせやすさから、アイアンレンジャーはブーツ初心者にぴったりの靴だと思います。私と同じように、初めてのブーツとしてオススメします!